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催花雨

 『催花雨』(さいかう)040320

 催花雨とは、花が咲き始める頃、開花を促すように降る雨のことだそうである。(参考文献:幻冬舎『自然のことのは』より)
 ここ数日の強風と乾燥と花粉で、喉がイガラっぽかったから、このお湿りは恵みの雨となった。そのうえ長雨には至らず、夕方にはあがるらしいので、今夜外出予定のわたしとしてはすごく助かるし。
 どんより鈍色(にびいろ)の空は、わたしから家事をする元気を奪い去った。だから、今朝からずっと、ただダラダラとやり過ごしている。それでも、約束の外出があるから、のろのろと起きて身支度にかかった。

 昼間の光が差し込むバスタブで、思い切り四肢を伸ばした。身体が1.5倍くらい、ぐーんと伸びたみたいで気持ちが良い。
 時間はたっぷりある。だからいつもより丁寧に身体を洗った。
目を凝らすと、タイルの目地に付着した黒い黴に気が着いた。そういえば、ここしばらく手入れを怠っていた。気になる。後で、強力な黴取剤をスプレイしなくては。
 それにつけても、昼間のバスタイムはそこはかとなく贅沢な時間が流れている。気分が良いものだ。誰ひとり邪魔をするものは居ないし。

 身体を拭った後、濡れた頭をタオルで巻いて、しばらくロッキングチェアに身体をあずけた。午後の気だるさと、わずかばかりの揺れが、睡魔を運んでくる。うとうととまどろむには、絶好の天気だった。

 明日は、今日のお湿りで開花した桜でも探しに出かけよう。



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